屋台味の 正体見たり 大資本ひさかたぶりに梅田に出て、新しいラーメン店でも開拓するかと思っていたところ、「極・屋台味ラーメン」とのぼりが立つ新店を発見した。店前の案内によると素材のひとつひとつ産地までこだわったようす。紺地に白抜きの大のれんといい、清潔感ある白い壁といい、最近人気のうまいラーメン店のたたずまいをすべてクリアした感がある。「とりあえずはよく勉強されておられるようだ」と思い入店した。 店内は屋台味とはうらはらにきれいでおしゃれな店だ。だが立働いているのはどう見ても年若いアルバイト風。屋台引きから立身した頑固オヤジは見えない。この一等地にこれほどの店を出し、素材にもこだわる店主が他人に味を任せるはずはないのだが…、といぶかしく店内を見回すと、開店祝いの花輪がいくつか。 だまされた!『寄るかい屋』だったら寄るかいや! いやいや興奮して時代劇になってしもうた。しかしこの海原、いたく感心いたした次第。いわゆる“行列の出来るラーメン店”ブームをしっかりリサーチしたのだな。客の多くはたいして味の違いなどわからず、情報を食べに来ていること。その情報がラーメン一杯700円以上という単価になること。それには大きくなりすぎた自社ブランドがじゃまになること。みごとなマーケティングだ。 “へんこなおやじが追求したラーメン道”というロマンも、結局はこうして大資本に利用されてしまうのか…。いやいや、そんなに世間は甘いものではないと信じたい。などと考えながら、無駄にふくれてしまった腹をさすって家路についた私であった。(嫌ならそんなに食うなよ)
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